病院職員裏ブログ

元ギャンブル部門の新聞記者(現病院職員)が病院、医療制度、ギャンブル依存症とか、全部綴る。

スリップしました【ギャンブル依存症】【治ってなかった】



禁パチして2年経って、正直、もう依存症は治ったと思ってた。『衝動に気をつけろ』とか、『依存症は治らない』とか過去にブログで書いたけど、心のどこかで、もう治ったと、思ってた。

 

 

 

 

でも治ってなかった。パチンコ打った。

 

 

 

 

 

 

日曜日、僕一人で休日を過ごすことになった。

 

 

 

この日曜を迎える1週間前から、禁パチに余裕ぶっこき過ぎて、YouTubeでパチンコの新台の動画を見てしまった。

 

本当にもう、『大丈夫っしょ、依存症治ったっしょ』とどんどん見た。『見たって行きたくならないっしょ』と軽く見ていた。2年前禁パチをした頃に出た台や、これから出る台、昔の台の動画など。愚の骨頂だ。

 

 

 

 

 

いざ日曜日。もう脳みそはあの頃と同じだ。『パチンコ行こう』。禁パチしていたおかげでお金は十分あった。

 

 

 

このブログを読んでくれた人なら分かると思うが、僕は【衝動が出たらすぐに電子マネーに入れて衝動を消していた】が、もう初心を失っていた。

 

 

 

他のことはまったくなんにも思わなかった。もう、朝起きたらパチンコのことで頭がいっぱいだった。昨日YouTubeで見たエヴァンゲリオンが面白そうで、心はワクワクして止まらなかった。

 

 

 

パチンコもたまにはいいでしょ、的な、あり得ない考えでパチンコ屋に入った。

 

 

 

 

 

 

 

その日曜日は、2万円勝った。

 

僕の小遣いひと月分以上の金が手に入った。

 

 

 

 

 

 

 

脳は、灼かれた。

 

 

 

 

翌日。財布の中に金のある平日、自販機で飲み物を買った。普段なら水筒を持ち歩くのだが、自販機で飲み物を買うようになった。

 

 

禁パチ中の2年間、自販機で飲み物を買うなんてほとんど無かったが、泡銭を手に入れたせいで、無駄遣いを楽しんでいた。

 

 

 

 

本を買い、DVDを買い。『あっ』という間に泡銭は無くなった。

 

 

 

 

 

また打ちたい。遊んで金を増やしたい。

 

思考は、クズの頃に完全に戻った。

 

 

次の日曜日、嫁に【仕事が残ってるから】と嘘を付き、パチンコ屋に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日は、3万円負けた。

 

最後の500円を使い切る時、歯茎から血が出そうになるほど歯を食いしばっていた。

 

 

 

『また嫁に嘘をついた。また生活費にも手をつけた。また小遣いも全部無くなった』

 

 

まただ。また。また繰り返してる。

 

 

消えたかった。

 

 

 

 

 

 

 

翌日、自販機でコーヒーを買った。今日の小遣い500円で買ったコーヒー。泡銭ではない。

 

 

悪習だ。脳が正常じゃない。

 

 

仕事の休憩中、YouTubeでパチンコ動画を見てる。

 

 

パチンコが、全てを奪い取る。

 

 

家で一歳の子供がグズってる。オモチャであやしながら、またパチンコサイトで機種情報を見てる。

 

 

 

【禁パチした2年は、一体なんだったんだ?】という気持ちが芽生えるが、パチンコの前では、僕はグズだ。

 

 

 

 

クズだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日曜日、生活費から金を盗み、パチンコ屋に行く。

 

 

 

 

 

消えたかった。頭がおかしくなった。こんなことして良いわけない。

 

2万円だけならすぐ返せるだろ。勝ったら速攻返そう。

 

この前負けた金も返せてないのに、返せるわけないだろ。

 

オスイチでサクッと出たら、エヴァ以外も打ッテミヨウ。

 

 

 

 

………。

 

 

 

 

 

 

 

 

千円で13回しか回らない台に2万円をつっこみ、1時間半ほどでゲームオーバー。

 

 

 

帰り道、僕は途方に暮れる。2年ぶりの最悪の気持ち。

 

 

 

 

 

 

 

消えたかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

嫁には、パチンコに行ったことを告げていない。小遣いを長期前借りして、借金(盗んだ生活費)はすべて返した。

 

 

 

 

 

ブログを読み返し、自分の今の状況を見て、ようやく心が落ち着いた。…いや、勝ってたら、落ち着いていないと思う。まあ、パチンコに勝っても負けても、それは負けだから、そこの勝敗はもうどうでも良い。

 

 

 

 

 

僕は、パチンコの前ではクズだ。

 

無力だ。

 

パチンコをやらなければ、普通だ。

 

というか、パチンコをやらなければ、幸せだった。

 

 

 

 

ギャンブル依存症

 

治らない。治らないけど、2年間ギャンブルしなかった時期は、本当に幸せな2年間だった。

 

パチンコに行かなければいい、行かなければ幸せだった。普通の日常が、幸せだった。

 

月のお小遣い15,000円でもとても楽しく過ごせていた。水筒を持ち歩いたり、何かを我慢してきちんと買い物をすることが、とても幸せだった。

 

この2年間、笑顔で暮らしていた2年間が、絶望に変わった。

 

 

 

 

また一から頑張るけれど、とにかく今は絶望に泣きます。

 

読んでくれている皆さん、反面教師にしてくれると幸いです。

 

 

 

 

自分がギャンブル依存症であることを、忘れてはいけない。